意味はわかるけどちょっとヘン?!、ここに当てると浮いちゃうんだけど?!、創作ニホンゴ?!、といったようなオモシロ日本語名にときどき遭遇する。海外にある日本食レストラン・居酒屋・雑貨店、案外多いのが日本語学校。または外国人が日本で経営する会社名・店名。漢字のタトゥー。そのような所でウケ狙いはしないはずで、真面目に考えて付けたのだろうと想像するとニヤけてしまう、イイ意味でヘンな日本語。
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この手の話題だと、ビールは「ツカレナオース」、美味しいは「アジダイジョウブ」という、ウソのようなホントのパラオ語群がつい脳裏をよぎるが我慢する。
海外や外国人に限らない。われらが長嶋茂雄は永久に不滅である。「失敗は成功のマザー」「魚へんにブルー」「ラッキーセブンの3」「閉幕を閉じる」そんな言葉のワードとともに氏は、記録にも記憶にも残り続けるだろう。
寄り道が過ぎた。この稿は、外国人による、ヘンじゃないほうの日本語店名を言いたくて書き始めた。桃谷商店街をしばらく歩くと右手にその店はある。「らーめん 虎やん」
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店主はベトナムの方だが、ウチと特に関係はない。私はただの客である。来日は8年前だという、まだ20代。店主のお人柄、トータルバランスに一目・一口惚れした。出汁も麺も副菜も、押し付けない、飽きのこない味で丁寧に作り込まれている感じ。水や付け合わせ(絶妙な辛味の高菜漬け)も言わずとも補充してくれる心配り。静かに流れる往年の洋楽邦楽。
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そして、虎やん、という響きのなんと自然なナチュラルであることよ。街に馴染んでいい。店主はタイガースファンではない。ベトナムで“野球”と言ってもソレッテ味ダイジョウブ?くらいの認知しかない。彼は寅年生まれだとのこと。ベトナムと日本の干支はいくつか異なるがトラは共通である。
いわゆるひとつの行きつけの店。仕事動線からは外れているが、また来る。事件は会議室じゃなく現場で起こっている、多彩な言葉も現場で、街中で生まれている。