外国の、日本語の教科書 EXPOから

安心してください、映えてますよ

万博ヤード。立地も外観も、最も目を引く海外パビリオンと言っていい、トルクメニスタン。入り口正面、堂々たる大統領の肖像が迎えてくれる、もう異国である。この国にこれまで関心を持ったことはもちろん無い(失敬)。が、館内には手に取れる展示物として、日本語の教科書がいくつも置かれていた。

 

聞いてみたい、食べてみたい

トルクメン料理、もちろん知らない。パビリオン内のカフェは茶菓子のみ、「パロウ」も「ドグラマ」も無かったと思う。ほぼイスラームなので「肉」は豚ではないだろう、鶏か羊か牛あたりか。絵と名の雰囲気から「チョレク」のみがうまそうである(偏見)。

 

案外、身につまされるテーマです

「しょうらいのゆめ」はユーチューバー、インフルエンサーetcでなくて何だかホッとする。理想と現実と政治経済etcも絡んでいそうだが、左上にはまず外交官。日本とは1992年の外交関係樹立から徐々に、経済会議開催、鉄道近代化の円借款、日本大使館開設、大統領訪日などを経て、特に2010年代以降はプラント建設など大規模プロジェクトも幅広く実現している。日本語学習者数が中央アジア随一という背景もそのあたりにあるらしい。外交官、架け橋となる優秀な人材はいくら輩出されてもいい。

サッカー選手などトップアスリートや教師への憧れは、普遍的かもしれない。画家が絵筆を取り、デザイナーもパソコンではなく絵筆を取っている姿に何だかホッとする。カメラマンは当然ながら、戦場でもゴシップでもない。歯医者であって医者でないのは、前大統領が元歯医者だからか。

ちなみにAIは別角度からも、ごもっともな分析をしてくれる。「掲載された職業語彙は、ひらがな、カタカナ、漢字の多様な表記を学習できる教材として適切です」

 

万博のパビリオン建設に際しても、トルクメニスタンは母国の業者が名乗りを上げて早期に計画を出し、土地の引き渡しを受けたのは海外勢として初めてだったとのこと。無知だった私(たち)にとって全く思いがけず、意気込みあふれるパビリオン、中には日本語の教科書。うれしい。

馬や犬もトルクメニスタンを象徴する、重要な存在