機械加工 普通旋盤とフライス盤

という固いタイトルに見合う解説などする気もなく、私たちにできもしない。

 

材料をまわすか、刃物をまわすか。その端的な違いを知った時に、機械加工を基礎から学ぶ暗中で一筋の光明が射した覚えがある。

 

実習生は一年目に、各職種・作業の技能評価試験(実技・学科)の基礎レベルに合格しないと二年目に移行できない。試験も基本的に受入れ企業で対策・指導いただくが、学科は特に通訳翻訳も含め、私たち組合も勉強会実施など合格に向けてフォローする。そのために私たち自身も一定の理解は不可欠だが、職種の具体について学ぶことは、作業そのものは行わない私たちにとっても求人像を考えたりする上で貴重な糧となる。

 

旋盤は材料を回転させ、固定された刃物で削る工作機械であり、円筒形や円盤状の製品製作に適している。フライス盤は刃物を回転させ、固定された材料を削る工作機械であり、平面加工や溝加工、複雑な立体形状の切削に適している。この原理2つを知るだけでも、かなりの問題を解く手掛かりとなる。

私たちは実習生に試験の目的や概要を伝え、合格めざして「教える」わけだが、実習生のほうが実のところよく理解し得ることは、肝に銘じておかなければならない。机上で知ったつもりの私たちが「教える」べきは職種・作業ではなく、実習生がすでに体得している内容に符合する用語をあてがい、定着させることだろう。

 

日本語は難しい。が、日本語レベル初級の外国人とのほうがネイティブ日本人より通じ合える、ということも往々にしてある。核心的な情報共有、相互理解に言語が必須とは限らない。絶滅危惧語に分類される“以心伝心”も、様々な人に会えばそう危惧することもなさそうだと思う。

 

さて、機械加工の学科試験。実習生が受ける基礎級の問題文に漢字は無く、ひらがなばかりでかえって読みにくい。普段使わない日本語も時折出てきて紛らわしい、たとえば“ひさん”。「せんばんかこうちゅうに ざいりょうが ひさんする きけんが あります」とか。飛散シタラ悲惨ダヨなどとクダラナイことを言いたくなる、勉強中の集中力飛散問題。